ほぼ奇跡に近い嬉しい出来事が起こりました。先日ここの
『悲しい話』で紹介したホームレス老犬のミアにセカンド・チャンスがやってきたのです!正直なところ、先週の水曜日に「さよなら」を言った時はもう本当にこれが最後だと思っていました。結構高齢だし、病気にかかり始めてたし、ごく少数の人しか受け入れない「難しい」気性だし…。そんなミアに向こう1-2日の間に引き取り手が現れる確率は本当に低いと分かっていたからです。こういうケースを何度も何度も経験してきたわたしでも、週末やっぱりこころがずしんと重くなっていました。なんとかしてあげたかった…。でもわたしには、ミアがシェルターでせめてこころ開ける友達役しかできなかった…。現実の酷さと難しさ、自分の無力さ、色々と考えさせられていました。すると、そんなわたしの落胆ぶりを見事に打ち負かしてくれるように同僚から嬉しいメールが飛び込んできたのです。「ミアを引き取ってくれるという動物愛護団体が現れた!ミアにセカンド・チャンスが与えられる!」と。その奇跡に近いニュースだけでも嬉しかったのに、日曜日にシェルターに仕事に戻った際にミアともう一度会えたのです。
その日の午前中に移動用のバンがお迎えに来ると聞いたので、早速ミアとの最後のデートをしようとシェルターの近くの公園に出かけました。するとどうでしょう。ミアが初めてリーシを引っ張りだしました。「早く!早く!」とでも言ってるかのように。数歩歩いては振り返り、わたしがちゃんとついて来てるかを確認するのです。「シェルターにいた二週間ほとんど何も食べていないのに…。その力はどこから出てくるの?」とびっくりしていると、公園に着くなり今度は芝生の上を嬉しそうに走りました。あのミアが走ってる。それも本当に嬉しそうに。驚きでした。そして公園のベンチに飛び乗り私に撫でられながらミアは笑っていました(犬が笑う?そんな馬鹿な…と思われる方、犬も嬉しいと笑いますよ!)
シェルターに戻り、何か食べさせようと思い、唯一食べてくれるホットドッグと、わたしのランチからハムとチーズをフードボールに入れました。「この際だ、ドライフードも混ぜてみよう」と他の食べ物の味がしみこむように混ぜてみたら、なんとドライフードまで食べました。何もかも拒絶していたあのミアがドライフードまで食べた!?なんというトランスフォーメーションでしょうか。
きっとミアには自分の身に何が起こっているのかわかっていたのだと思います。ミア自身も「わたしはまだまだ生きたいんです」って言ってるようでした。
長年一緒に過ごした家族に捨てられシェルターにやって来たばかりのミアは全く何もかも受け付けようとせず、もう自分の命を、人生(犬生)をすっかり見捨てているようでした。それから少しずつこころを開いてくれたミア。彼女のこのトランスフォーメーションを見ていて思いました。愛されてる、大切にされているということを感じることで「もう一度」という力が湧き出すこと。ミアは家族とは離れ離れになってしまったけど、この世の中にまだ自分のことを愛し、気にし、大切にしたいと思ってる人達がいることをしっかり感じてくれたのだなと。そして、それが生きたいという力になったのだなと。
最後のデートに連れ出した公園で
引き取り先の団体から送られてきた写真
元気でやってるそうです♪