2013年6月28日金曜日

悲しい話

6月14日、ミアという8歳くらいのピットブルの女の子がうちのシェルターにやってきました。ミアは今まで7年間老夫婦と暮してきました。おじいさんは数年前にこの世を去り、おばあさんもとうとう老人ホームに入ることになりました。老人ホームにはミアを連れていけません…。周りに引き取ってくれる人もいなかったのでしょう。ミアは最後の家族だったおばあさんに連れられて、うちのシェルターに捨てられました。

それからの2日間、ミアはまったく同じ場所から動きませんでした。毛布の上にくるっと体を丸め背中を向けたまま。フードも食べず、水を飲んだ形跡もなく、トイも行きません。あまりの落胆に完全にシャットダウン状態でした。3日目、やっとの思い でケージから出すことに成功。それでも最初は警戒心一杯で、体はがちがち。尻尾もずっと後ろ足の間に入ったまま。目を思い切り大きく広げて恐怖で一杯の心境を語っていました。それからもミアのケージに何度も足を運びました。だんだん彼女がこころを開き打ち解けてくれていくのが分かりました。ミアもわたしと外に出るのが楽しみになり、わたしがケージの前に行くとすっと立って扉の前まで来るようになりました。それでもフードと薬だけは絶対に食べてくれません。見る見るうちに痩せていくのが分かりました。あれやこれや色んな工夫をしてみてもだめ。愛犬に食べさせているホームメードのご飯も持って行き食べさせようとしましたが顔を向こうに向けます。そんな中で一度だけホットドッグは嬉しそうに食べました。でも、2週間弱の間で食べたものはそれだけです。食べないので体がどんどん弱り風邪を引き始めました。でも、薬も絶対に受け付けません。結局「友達」と認めてくれたのもわたしともう一人のスタッフだけでした。他の人が近づくとがちがちに警戒します。なんだかもう彼女の中で人生を諦めたと言っているようで本当に見ていて悲しくなりました。

その老夫婦も、7年前にミアを飼い始めた時はなんとか一緒に暮していける。ミアの最期まで一緒にいれると思ったのでしょうか…。最後がこんな淋しく悲しい形になるとは思わなかったでしょう。そして自分のことを考えました。長年連れ添った最愛の愛犬ジュリエットの最後の最後までを共に出来た自分の状況に本当に感謝しました。そしてジュリエットの後をしっかり引き継いでくれている愛息子ノアとも最後の最後まで絶対一緒にいる。どうなってもわたしが守ると新たに思わされました。水曜日にシェルターを去る際、きっとこれが最後だろうと思い、体全身を優しくマッサージしてあげました。全く表情を変えないミアだけど「ありがとう」と言ってるのが分かりました。

ミアの前では決して涙を見せませんでしたが、ミアのことを考えると涙が溢れます。残念ながらミアは氷山の一角で、ミアのような目に合う動物たちで溢れているのが現状です。飼い主一人ひとりがペットの飼い主になるということに対してもっと責任をもつ(飼う前から)。そしてレスキュー団体は教育も大事ですが、支援にももっと力を入れていくべきだと思っています。ちょっとの支援でなんとかなるケースたくさんあると思います。やっぱりコミュニケーションが大事です。


2013年6月4日火曜日

『ドギーパラダイス!』第57回


US FrontLineの連載記事『ドギーパラダイス!』

第57回: 家庭内の不一致

(上記US FrontLine部分をクリックするとオンライン版に行けます)

26ページに記事あります。

犬を飼う際、一人で飼うのも複数で飼うのも
利点・欠点があり、もちろん一長一短。

わたしの場合、愛犬たちを一人で育ててきています。
愛犬の教育から食事から何もかも一人で好きに決められ
もめごとはないし、楽チンではあります。

その反面、助けが必要~と思うことも
シェアしたいな~と思うことも多々。

複数で犬を飼う場合、意見の食い違いなどから
家庭内に不調和な空気を作り上げてしまっては
犬にも人間にも良い環境ではありません。

家族パワーが倍増!になるよう
みんなが協調・協力して
愛犬を育てたいですね。

今回の記事も是非読んでください!